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講演会 「LGBTをみんなに知ってほしい」

日本にただ一人。LGBTパフォーマーすずみ

台本 一部

 

【初めて、LGBTになった日のこと】

 

私が最初に周りとの決定的な違いを感じたのは、初めて恋をした時だった。

中学1年生の時にクラスの男の子に告白されて付き合ったことがあったが、その時の自分は恋愛感情の「好き」がよく分かっていなかった。だから1ヶ月もたたないうちにすぐに別れることになる。

だかその半年後の中学2年生の時、「好き」という意味が分かった。いわゆる初恋。しかし相手は女の子だった。初めての感覚に最初、これは「好き」ではなく「憧れ」という感情なんだと思い込んでいた。当時は同性を好きになることがあるなんて知らなかったから、尚更「好き」はありえないと思った。

ただその女の子の近くにいるとソワソワして、手を繋がれるとドキドキして、その日別れる時はもっと一緒に居たいと思った。それが「憧れ」じゃないとやっと気付いたのは、その女の子に好きな男の子が出来た時だった。

その時、女の子の自分はお友達としか思われていない。決してその子

の1番にはなれない。なんで自分は男の子じゃないんだろう!と、悔しくてたまらなかった。

その時から自分の性について1人で考え込む時間が多くなっていった。

【辛かったこと、悲しかったこと、苦しかったこと】

 

・スーツを着なければならない時。強烈な違和感を感じた。購入するときも女性用のスーツ売り場に案内されるのが嫌で、ヒールなども履きたくなかった。小柄なため、男性ものだとなかなかサイズも無かった。

・履歴書や証明書、学生の頃は健康診断の紙などにある性別欄。小学生の頃はなぜ自分は男性の方じゃなく、女性の方に丸しなければいけないのか。中学生ではどっちに丸を書けばいいのかわからなかった。

・もっと女の子らしい服着れば可愛いのに。スカート履かないなんて勿体無い。なんでお化粧しないの?女性目線だとどう思う?など言われた時、自分は女の子として見られているんだと強く感じてしまうので辛かった。生理が始まったときも自分は本当に男の子じゃないんだとショックだった。

・友達と何気なく結婚の話、子供が欲しいかという話になった時は興味のないふりをした。本当は好きな人と一緒になって、結婚をしたい。でも人とは違う自分は、どうせ誰とも付き合えないんだろうと考えていた。

・中学生の時に、女性を好きになるなんて自分はおかしいのかもしれないと思い始めた。どんどん自分が自分のことを信じられなくなり、みんなと違うんだということで孤独を感じた。自分なんかがなんで生きているのか、生きていていいのか分からなかった時期だった。その頃の自分は誰かに「おかしくないよ」ってたった一言、言って欲しかったのだと思う。誰かにそんな自分でも良いんだよと、存在を認めて欲しかった。

・親へカミングアウトで否定された時。人生初めてのカミングアウトで否定され、それが世に中の意見なんだと思った私は、やっぱり自分が間違えているんだ。悪いのは全部自分なんだと、さらに自分を追い詰めてしまいました。

・メディアなどに出ているLGBTの人たちを否定する友人を見た時は、とても悲しかった。

・カミングアウトしてしたら否定されてしまうから、絶対にばれないように隠し続けなければ行けないと思った。差別や偏見が不安で、人の目が異様に気になりだした。それでも、気づいて欲しい。ありのままの自分を知って欲しい気持ちもあり、ずっと葛藤していた。カイングアウトするのもしないのもストレスだった。

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